フルカウルが好き

Daytona675→ZX-6Rという華麗な移行(間に何かあったような…?)

ミリタリーを学びたければ何処に行けば良い。

今週のお題「いま学んでみたいこと」やっぱミリタリーでしょ。今熱いし。

ガルパンだのストパンだの艦これだのでミリタリーがサブカルの中で浸透しつつある今日この頃。未だに世間一般では先の大戦の戦略爆撃のイメージが強すぎるみたいだけれども。安全保障の話にしても幕末の開国論者と尊王攘夷論者の対決のようにも感じられるが、まあそんなことはどうでもよろしい。だってみんなあんまりミリタリーについて知らないでしょ?というわけでミリタリーを学ぶには何処に行けばよいかを考察する。

 まず、我が国でミリタリーといえば自衛隊しかない。日本軍は過去の存在。海上保安庁や警察にも銃器はあるが、ここは自衛隊になる。じゃあミリタリーを知るには自衛隊に行けばよいのか。

それはわからない。一般隊員として入隊すると、まず叩き込まれるのは団体生活と時間を制限された生活、自衛隊の基本動作に基礎的な体力、その内銃の取り扱いやら愛国心、使命感などなど。国防政策についてはあまり学ばない。自衛隊の存在理由に付随して任務の重さや崇高さを教えられても戦略論だとかは教えられるわけがない。一般隊員に必要なスキルは戦略を練ることではなく、武器を扱ったりすることだ。戦略を立てたりする人にならないと、そんな教育は永遠に受けるわけがない。

つまり、ミリタリーの技能は単に自衛隊に入れば得られるが、ミリタリーを学ぶ、軍事学を学ぶことはかなり厳しいだろう。仕事として学ぶのでもよいなら一般隊員から幹部候補生になるしかない。

ではどこなら学問として学べるのだろうか。

やはり、学問として学びたい人は大学に行くべきだ。手っ取り早いのは防衛大学校に入ってしまうことだ。ここには防衛学という名前で1年生から学ぶことができる。ただし、防衛学以外にも一般大生と同じような学問もしないといけないし、訓練だってもちろんある。何より、小原台監獄と称されるこの学校で青春を捧げる覚悟が必要だ。

しかし、防大の軍事関係の蔵書は日本一とも言われており、先生もより取り見取りである。国際政治の学者もいれば、制服を着た先生もいる。きっと興味が合えば最高の4年間を過ごすことができるだろう。

因みに某ノーベル賞作家のきっと偉い先生は防大生を「同世代の恥辱」と述べられている。ノーベル賞をとった人が言うんだからきっと間違いない。

しかし、またここで一つ問題がある。夢のキャンパスライフは娑婆の世界にしか存在しないのだ。防大に入るとまずあほみたいに同期が辞めていく。初めて防大にやってきた日と最後に防大を過ごす日での同期の数を比べると1割程度減だとか。厳しいという言葉で片付けるつもりはないが、合わない人には合わない。なお、辞めやすいのは矢鱈理想だけ高くて他がついてない人(理想と現実のギャップに耐えられない)、素直すぎる人だろうか。そこはフィーリングでしかないので正しいとは限らないが。

自衛隊は別に興味ないし、って人は国際政治、安全保障の観点から学ぶことを目指していけばよいと思う。何故かって?かの有名なクラウゼヴィッツ曰く、「戦争は政治の延長線上にある」つまり、戦争も政治の形態の一つに過ぎないという本質を考えれば、当然国際政治や安全保障のことを知らなければ戦争のことを語ることはできない。憲法学者が安保法案に反対するのも憲法学の観点から見ているからだ。それが悪いわけじゃあない。しかし、中身を論ずるとなれば、憲法学者ではなく外交官や国際政治の先生を参考にした方が良いのは自明の理だ。

 

色々と書き連ねてきたけれど、私は最近ミリタリーよりも心理学に興味が出てきたので河合先生の「ユング心理学入門」を読んでいます。ミリタリー?雑誌丸でも読めばいいよ。

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫)

ユング心理学入門―“心理療法”コレクション〈1〉 (岩波現代文庫)

 

就活開始したころから読みだしたんだけれど、中々面白い。最初は斜に構えながら読んでいたが、非常に説得力がある論理構成と実例で読み込んでいけば色んな場面で役に立つだろう。

 一つだけ言っておくと「防衛の務め」は防大に入ったら強制的に買わされるのに、配られる必読集と内容丸被りです。

防衛の務め - 自衛隊の精神的拠点

防衛の務め - 自衛隊の精神的拠点

 

 防大に行かない人は読んでも損はないだろうね。

追記:防大卒の若い人が分りやすいというか防大で教えていることをそのまま本にしたものがこれ↓

防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか(祥伝社新書)

防衛大学校で、戦争と安全保障をどう学んだか(祥伝社新書)

 

 内容は平易だけれど興味を持ったのなら買って損はないはず。これこそ入門書というべきものだろう。