フルカウルが好き

Daytona675→ZX-6Rという華麗な移行(間に何かあったような…?)

F1Hondaが弱い理由。BBCから。(その2)

 前回からの続き。念のために述べておくと、僕自身はF1とかのモータースポーツは好きだけれども、技術的な話はあんまり分からないにわか野郎です…αβοοη..._φ(゚∀゚ )アヒャ

 

その1ではホンダエンジンが長い直線だと他のエンジンに比べてもろに差が出てしまうけど、直線距離が短ければまだ戦えるのかもしれないというところまでの訳文を記した。

↓前回記事

nanzenji.hatenablog.jp

 それでは続きを早速和訳していく。以下引き続きBBCより。

何故ホンダはパワー不足なのか

ホンダは非常にコンパクトなエンジンを作った。それは空力学上の優位性を保とうと、可能な限りあらゆる部品を小さくしようとするマクラーレンの設計哲学の一端としてそうされたのだ。

しかし、このことがエンジンの設計において幾つかの妥協をもたらした。

エンジンをでき得る限り小さく保つために、ホンダはターボ機構と「MGU-H」を一つのユニットとして組み立て、そのユニットをターボ機構に空気を送るコンプレッサーと一緒にしてエンジンシリンダーのV字状になっている中へと収容した。

この発想自体はメルセデスも行っている方法とよく似た設計哲学だ。その違いはメルセデスではエンジンの前方に大きなコンプレッサーがある。そのエンジンは「MGU-H」から伸びている長い特徴的なシャフトでターボ機構と接続しており、「MGU-H」がV字の中にあってエネルギーの回収を行っているのだ。

このメルセデスの設計手法は数ある彼らの優位性の中でも際立っている。このことは昨年のBBCでの記事に詳しく解説している。

BBC Sport - Mercedes engine keeping Lewis Hamilton ahead of his rivals

ホンダはよりコンパクトなレイアウトである。シリンダーバンク内部にコンプレッサーをはめるためにメルセデスのそれよりずっと小さく仕上げる必要があったのだ。そしてこのことが効果を失わせているのだ。エンジンの最大回転数もまた制限されることとなった。

このエンジン配置によって、ホンダはエンジン自体の設計を変えない限りは出力の増大をできなくなったのである。そして、設計を変えようとすると、F1の開発を制限する複雑なシステムの下、”トークン”を今年度使用できる数以上を必要とするのである。

ホンダのハイブリッドシステムだけがエンジンにおける問題なのか?

ハイブリッドシステムの力不足を解消したとしても、ホンダエンジンの内燃機関(ICE)もまたメルセデスフェラーリの完璧なユニットと比べると力不足だ。

とはいっても、どれほどあるかといえば左程でもない。

メルセデスエンジンはICEだけで大きなアドバンテージを持つといわれており、フェラーリより10~15馬力、ルノーに対しては50~70馬力程度の差があるといわれている。

新井氏はホンダのICEはルノーより20~25馬力は強力な位置にいると思っていると語った。他のエンジニアは2つのエンジンは非常に近いと話す。おそらく、ホンダはわずかに上回っていた。7月のアップグレードが約25馬力分ルノーを前方へ戻すまでは。

ICEから700馬力を得ているといわれているメルセデスはそれに加えて「MGU-K」による制限内の160馬力、そして「MGU-H」からの更なる「使い放題」の電気エネルギーが30~40馬力相当あり、これらのパワーによってメルセデスエンジンは890~900馬力あたりまで叩き出している。

 

Renault 2014 V6

ルノーパワーユニットはホンダ以外の3社で一番弱いと考えられている。(BBCから)

ルノーフェラーリのハイブリッドシステムはメルセデスと競えると考えられており、それぞれ約830~840馬力(ルノー)、880~890馬力(フェラーリ)に位置しているものとしている。

マクラーレンの抱える問題はこれらすべての情報をホンダエンジンに照らし合わせると、はっきりとしたものになる。

ICEによるパワーだけでは60~80馬力程度下の分布域に入ることに加えて、「MGU-H」の重大な出力不足、そしてハイブリッドシステム全体からの出力(「MGU-K」からの160馬力に加えて「MGU-H」の生み出すあらゆる出力)が直線コースのある地点からは全く無くなるという事実だ。

 

2016年へ向けてホンダは諸問題を解決できるのか?

ホンダは今年度の残った期間をICEのパフォーマンスとハイブリッドシステムの効率の両方について改善していく計画を立てている。しかし問題が基礎的なものであるが故にいかなる改善策も限定的なものとなるだろうし、期待できるほどの大きな前進が見えるころには来年になっているだろう。

重大なのはホンダが来シーズンに向けて、ターボ機構・コンプレッサー・MGU-Hのレイアウトが要求されるほどの効果を出すようにエンジン設計を改められるかどうかというところだ。

「それが開発の目的だ」新井氏は語る。「我々はコンプレッサーが解決しようと取り組んでいる中で最大の問題であることがわかっている。私はどのくらいシルバーストーン、スパ、モンツァが厳しかったかは知っている。そして、どれほどの努力が必要かも理解している。」

 

Fernando Alonso

アロンソ(左)は今シーズン11ポイントのみ、バトン(右)はたったの6ポイントだ(BBCから)

「我々はデータを見ることで他の車両が何を展開しているか,そしてそれがどの程度なのかを知っています。目的は最小であることは明らかです。」(筆者注:ちょっと訳が曖昧になっている)

マクラーレンに近い情報筋はホンダの諸問題への対応の中での切迫感に疑問符をつけている。そして、マクラーレンホンダの赤字の大きさを完全に把握しているかどうかについても疑問視しており、彼らが正しいかは来シーズンがはっきりしだしたときにのみわかるだろうとしている。

残りはまたその3で掲載します。

 

それにしても文章はおとなしい。しかし、書いている内容を見るとホンダのエンジンは内燃機関(ICE)にしてもアドバンテージがあるわけではなく、ハイブリッドシステム自体も直線コースが長くなると”ガス欠”になるので抜かされてしまう。だから、今年は全然勝てないんだ。でも、欠陥の理由はわかっているからできる範囲でするしかないけどちょっとホンダに対してマクラーレンが不信感をもっているよ、ということで。

 

そろそろ鈴鹿が近いのにこのままじゃあ日本グランプリも不安になってしまう。ただ、マクラーレンホンダシンガポール鈴鹿を今年の本命のように感じているようなので少しはましな順位を期待しても良いのかなあ、と外野席でビール片手にうんちくを語るトラキチおやじのように記してみる。

その1でもそうですが、翻訳自体は誤訳もあること前提で読んでいただきたいと思います。

以上。

 

追記:新井氏が語った25馬力優位の話は海外メディアの誤解らしい?

sportiva.shueisha.co.jp

 続き

 

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 その1

 

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追記(3月28日):2016シーズンの下馬評をも訳す

 

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