F1Hondaの弱い理由。BBCから。(その1)
英語スキルでも高めようと思ってBBCのF1ニュースを見るとホンダが弱い理由を解説していたので、和訳スキルを高めるついでに訳文を掲載。(問題があれば消します)
BBCより
以下筆者による和訳(誤訳あり得ること、承知されたし)
「何故、ホンダエンジンはマクラーレン自身と彼らの対応策にとって悪夢となっているのか」
数か月が経った今、マクラーレンホンダのフェルナンド・アロンソとジェンソン・バトンはシンガポールが今季でしっかりとポイントを稼げるチャンスの一つだと睨んでいる。
ベルギー、イタリアと2つの直近のレースにおける悩ましいチームの厳しい現状はモンツァでの予選終了後の記者会見で嵐を引き起こし、ホンダF1チーム責任者の新井泰久はエンジンの力不足について厳しい質問を浴びせられることとなった。
バトンは気を遣いながら、この状況を冷静に見ようとした。
「この2週間だ」彼は言う。「我々はレースに向かい、そして5番手と6番手を争うことができた、そして多分我々はこのことについて何か言おうなんて気はない」
それではどのようにしてイタリアで15番手と16番手を争ったアロンソとバトンに対して来週に控えたシンガポールで半分より上位にいられることに希望を抱けばよいのだろうか。
そこで、マクラーレンの抱える問題、(特にホンダだが)がどんなものかを調べ、説明しようと思う。
ホンダ、パワーの悪夢
マクラーレン最大の悩みがホンダエンジンの競争力の欠如であることに何ら秘密はない。2008年の撤退以来日本企業にとって最初のシーズンであるにしても、だ。
アロンソはこの週末に現状を暴露した。チームが他チームと比較するために使われるGPSによるスピード計測から得られた情報を公開したのだ。
「僕らが改善すべきエリアは非常に多い」チャンピオンに2回輝いた男は語る。「しかし、6か所のコーナーを持つサーキット上で、GPSによれば僕らはこの6か所のコーナーで20~30回は負けている。すると、直線上で僕らは3秒短縮する必要がある。」
何故高速サーキットのモンツァでこのことが非常に悪いか、そしてシンガポールの直線では左程の影響を齎さないのかを理解するために、2014年に導入された「ターボハイブリッドエンジン」のルールにホンダが苦しむ詳細を語る必要がある。
ちょっと技術的な話になってしまうのだが、ご容赦願いたい。-これが大事なんだ(it's worth it)-
F1のエンジンは1.6リッタのV6ターボエンジンで2つに分けられており、これらがハイブリッド機構で連携し、本来であれば捨てられるエネルギーを回収し、再利用しているのだ。
「MGU-K」と呼ばれるリアアクセルとリンクした電気モーターが存在する。これがブレーキを掛けた際に起こる運動エネルギーを回収しまたつかうためにバッテリーに充電されるようになっている。この「K」によりバッテリーから供給されるパワーは120kwに制限されている。(筆者注:Kはキネティック、運動とか動的という意味)
もう一つのモーター、これは「MGU-H」と呼ばれる。このモーターはターボチャージャーからのエネルギーを回収するものだ。規定ではどのくらいこのモーターから車輪にパワーを与えるかに関しての制限は設けられていない。つまり、「無限に」取り出せるエネルギーと考えても良い。(筆者注:このHはヒート、熱エネルギー)
ホンダの根本的な問題として直線コースのほんの短い距離を除いて、走行全体を通して供給し続けるだけの十分なエネルギーを回収できていないということがある。
このことはアロンソとバトンがハイブリッド機構で得られた力を―最低でも160馬力の損失だ―長大なストレートではその一部で使い果たすことを意味している。つまり、この事実こそが、モンツァやスパにおいてアロンソとバトンがまだそこに突っ立っているかのように他のドライバーが彼らを追い越した理由となるわけだ。
逆に言えば、このことはシンガポールでは比較的には大した問題にはならない。(例:ハンガリーではアロンソが5番手でレースを終えた)なぜか。直線が短いからだ。そして「クリッピングポイント」と呼ばれるところまではとどかないだろうし、もし到達したとして、その時点では既に直線コースはもう終わっています。
(筆者注:この場合のクリッピングポイントはおそらくエンジンのハイブリッド機構から得られたパワーが無くなる瞬間のことと推測。本来のクリッピングポイントはこちらのHPを参照→http://www.weblio.jp/content/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88
一旦ここで切りたいと思います。流石に長いです…。
でも日本メディアでここまで詳しい解説をわかりやすくしてくれるところは中々ないですね。僕自身も翻訳していて何故ホンダが苦しんでいるのかが分かってきた気がします。
とりあえず、シンガポールGPは期待してます。
続きは今週末にでも。
以下続き
追記(3月28日):2016シーズンの下馬評も訳しました。