フルカウルが好き

Daytona675→ZX-6Rという華麗な移行(間に何かあったような…?)

F1Hondaが弱い理由。BBCから。(その3)

その1、その2と続けてきた和訳はこの記事で終わりだ。その前にちょっとした今年のホンダF1について思ったことを。

今までの内容から察するにホンダはエンジンの設計段階で大きなミスをしてしまったという印象を受ける。確かに、シーズン開幕前ではコンパクトなエンジンだ!これで他のチームに張り合えるのか!これは期待してもいいのか!?と思っていたが、開幕が近づくにつれ徐々に不安や心配が増大していった。

そして、シーズン開幕以降は現在に至るまでにすっかり下位グリッド常連のレッテルを貼られてしまった。非常に悔しいと思っているのは日本各地のF1ファンもそうであろうし、何より現地で改良に取り掛かる各エンジニア達、そして総責任者の新井氏が確と感じているはずだ。無論、ホンダのみならずマクラーレン側もやるせない気持ちが強いだろうし、実際にマシンを駆っているアロンソとバトンがもどかしさを感じているのだ。

我々ファンは悪態をつくのではなく、ただ客席から、画面の前から祈るしかない。もうファンでいられなくなったときはそれは仕方がない。ただ、ファンをやめるまでは応援をし続けてほしいと切に願う。

それでは記事の残りを以下に。

 

車体はどうなんだろうか?

シンガポールでは、5コーナーから7コーナーにかけての一番長いストレートにだけに関してはホンダの力量不足が問題となる可能性が高い。そして、おそらくストレートではイーブンとはいかない。

しかし、もしマクラーレンモンツァの6つあるコーナーで0.2~0.3秒を周回ごとに失っているとすれば、23あるシンガポールのコースではそのコーナーでの差が比例して増大することは目に見えている。

エンジニアたちはマクラーレンの車体をF1内で見てその性能を4か5番程度に評価している―メルセデスレッドブルトロロッソの順より後、フェラーリと同程度の性能だろうと位置付けている。

が、このこと自体はマクラーレンの車体に問題無しと言えることを意味しない。

MP4-30は他の優秀な車体と比べるとより大きいドラッグ(摩擦)を起こすのにダウンフォースは逆により少ないのだ。そしてコーナーの外でトラクション(加速?)を得ようともがくこととなる。

近年、マクラーレンダウンフォースを使いこなすよりはむしろ、最大限を求める思想を追求することにより苦しんでいる。

ダウンフォースの最大値から判断することで理論上はより速くなる一方で、ドライバーたちがトラック上でこの理論上の性能全てを引き出せることはできないというのがこの設計思想がもたらしがちな問題なのだ。

 

Yasuhisa Arai

ホンダF1責任者、新井康久氏は最近のホンダの信頼性に関して報道陣から厳しい対応を受けた。

それは 空気の流れがより重く作用していることがその流れが妨げられることに対して過剰に反応してしまうからによるのだ―そのことがグリップの減少を突発させ、したがってドライバーからの信頼をも失わせることとなる。

 最も性能に優れた車は「友好的な」ダウンフォースといえるものを究める傾向にある―それは理論上の最大値がより小さいながらも、ドライバーにとってはより制御しやすいダウンフォースがより流入するということであり、そういった車は空力学的基礎が安定しているからだ。

この2番目の哲学は数年前の栄光に満ちた期間、レッドブルが駆使したものであり、現在はメルセデスもまた同様のことをしている。

マクラーレンは今年の始め、自分たちもまた同様のアプローチをとると語っていた。今、このアプローチは彼らの間違いになりつつあることが徐々に浮き彫りにさせている。

しかし、内部の関係者は今年のシャーシには全体的にダウンフォースが足りないことが明らかになってからチームは古臭く悪い手法に逆戻りした、実際のマシンの挙動を見るのではなく、一層理論上の数値ばかりを追い求めていると語る。

この発言はなぜマクラーレンの車体がレッドブルメルセデスと比較して車が非常に硬いサスペンションを伴って走っているのかという問いに対するほとんど正確な答となっている―もし空力的基礎がそもそも不安定だとすれば、可能な限り車の揺れを抑え込みたくなるだろうし、空気の流れの「ストール(失速?停滞?)」とダウンフォースが失われた時にそうなる例(箇所か?)を減らしたいとも考えるだろう。

メルセデスにより開拓され、シーズン途中でレッドブルにより更に進化したフロントウィングの最新設計手法をマクラーレンが未だにものにできていないという点も注目すべきだ。

 

期待はしている

今年度の車のレイアウトは昨秋にレッドブルからやってきたマクラーレンのチーフエンジニア、ピーター・プロドロモウがやってくる以前、コンパクトなホンダエンジンの設計を中心にして考えられていた。

ホンダはより大きいコンプレッサーを設計中であり、改良したターボ機構とMGU-Hを今までと同じ基本的構成にあるエンジンの中に収めようとしている。それは可能な限りのコンパクトなパッケージを保つ考えを伴って、だ。

翻って、プロドロモウはマクラーレンの車体設計における欠陥の除去に取り組んでおり、特にフロント周りの空力、そしてリアホイール周辺と性能にとても重要な底辺に入り込む空気の流れを強いものにしようとしている―そのあたりはレッドブルが伝統的に優秀な設計をしているところだ。

マクラーレンとホンダの責任者たちは公では「ワンチーム」とお念仏を只管に唱えてはいるが、内部の緊張に関する噂が出始めている。

この状況下(マクラーレン35年の歴史で最悪のシーズンの中)この話に驚くことは難しい。マクラーレンホンダは泥沼の真っただ中にあり、時として溺死の危険すら見えるほどにある。

しかし、もし2015年シーズン中で結果においての改善が他の何でもない、サーキットの構成によるものが強いのだとしても、そのことがチームとエンジン生産社への後押しとなり、少なくとも2016年シーズン、彼らが望まれる位置までカムバックするに必要となるアイデアを後押ししてくれる。

以上です。やはり、公共放送とはいってもイギリスメディアです。

マクラーレンはこんなもんじゃない。確かに今シーズンは苦しんでいるけども、来シーズンがあるし今年でも全く成績が振るわないわけじゃない。期待している。

と希望は捨てていません。まあ自国の伝統あるチームだし。

そして、ホンダばかりが貶されないように車体側にも大きな欠陥はあるんだということも説明しています。数字ばかり気にして実際の挙動を見ろよ!とやや辛辣なのか?という感じ。ダウンフォースを制御できてない車体自体にも大きな責任はある、と。

それでもまずはパワー不足の改善ですね。印象が大きすぎるし。

シンガポールまで残り1週間、鈴鹿まで残り2週間。見に行きたいけどなー。またBSフジで観戦やなこりゃ。

 

以下今までの訳文。

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追記(3月28日):2016シーズンの下馬評だぞ

 

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