フルカウルが好き

Daytona675→ZX-6Rという華麗な移行(間に何かあったような…?)

米陸軍士官学校枕投げ騒乱事件

ネットニュースをだらだら眺めていると最近米陸軍士官学校、通称ウェストポイントに関するニュースが流れてきた。

www.afpbb.com

記事によると、新入生の夏季訓練終了後の恒例行事である枕投げがエスカレートし、枕カバー内にヘルメットを仕込んだ学生が現れ30人が負傷したとか。

さらっと記事を読めば何ともアホらしい事件である。ただ、真偽は定かではないが、一人は未だに課業に復帰していないと書かれているので何だか嫌な話。

ウェストポイントってそんなにあほなのか?

日本人にとってウェストポイントは馴染みの薄い学校だろう。一応、日本では防衛省防衛大学校がこれに相当する。いわゆる防大は幹部自衛官となるべき者を養成訓練することが設置目的で、ウェストポイントも米陸軍士官となるべき者を養成する学校だ。どちらも軍事的なものを教えると同時に大学教育も施し、学士を与えているので互いに近しい。

そんなウェストポイント、実はアメリカの雑誌『フォーブス』で全米大学ランキングナンバー1に輝いているのだった。

navalacademy1.com

要は日本でいうところの東大というか帝国大学、旧軍の海兵・陸士クラスというべきところで、滑り止め受験で倍率が高くなっている防大よりはるかにレベルの高い人材が集結する。しかも、東大と違うところは単におつむが良ければ入れるわけではなくて、高校時代に生徒会長やっててこんなことしましたとかこんなボランティアをやってましたとか色々な素質やらスキルやら性格やらを考慮したうえで入れる学校というわけである。上のリンクで書かれているがもちろん健康体であることも必須で、運動音痴もはじかれてしまうという肥満大国アメリカの上質な青年を集めているのだそうで。

ウェストポイントはアメリカのどこにある

そんなウェストポイントの生活は中々ハードらしいのだが、その所在地はニューヨーク州とは言えども中々の田舎にある。

f:id:NANZENJI:20150906003327p:plainグーグルマップから)

ウェストポイントからニューヨークまでは電車で行くと中々しんどい。しかも車社会の最先端であるアメリカであるのに車を持って良いのは4年生のみである。それでいてこういうところの1年生って基本的に酷い扱いを受けるのが通例である。

体育会系のノリってやつ

ちょっとウェストポイントはわからないが、防大でいえば外泊は基本的に不許可、外出は制服着用オンリー、校内では下から順に石ころ、奴隷、人間、神様(諸説あり、私が知っているのはこのフレーズ)とある時期では言われていたぐらいに上下関係で束縛される(多分、きつい運動部に入っていたらなんとなくわかるはず)。

で、新兵教育にしても軍隊というのは団結心というものを非常に大事にするので、全体に対して非常にきついことをさせたりする。全員で仲良く腕立て伏せは序の口、銃を使う訓練でもある姿勢をキープさせるだけとか(両腕を前方に真っ直ぐ突出し小銃をずっと持ち続けることが如何に大変か)、ミリタリーケイデンスを叫びながら走る等々…。

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ウィキペディアから)

これらは全て団結心やら規律心といった形にならない戦力を養うためにある。ただし、ウェストポイントをはじめとする士官学校はこれだけでは終わらない。問題解決能力向上や小隊指揮官としてのスキルも高めるための訓練が恐らくある。

仕事の後のビールが旨いって感じ?

上に掲げた色々な訓練は実際に体験すると人間の本性が表れてくる。特に夏の訓練なんかは暑いしだるいしくさいし汗かくし虫にかまれるしコンディションは最悪である。そこで一通りの訓練が終わったりすると楽しいことがあるようにスケジュールされているのが常だ。自衛隊では大体バーベキューになる(肉が固い!、酒が旨い!)。防大1年生の夏の風物詩、遠泳訓練のあとなんかも…何かあったっけ?豚汁くらいか。

 

とまあ、そんなわけで枕投げがやっとここで登場するのだがそもそも枕投げ如きでヘルメットが出てくることも訳が分からない。監督役の上級生による計らいでヘルメットをかぶるよう指示が出たとあると書かれているので恐らく悪知恵の働く学生がヘルメットを仕込んだのかもしれない。ただ、ここでいうヘルメットは恐らくケブラー繊維製の重たい奴だと思う。

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ACH (ヘルメット) - Wikipedia

(重量が47から62オンス、キロにして約1.33から1.76キログラム)

ちょっと重過ぎんよ…。上級生もこりゃ怒られてるかもね。