Daytona 675から漏れ出る魅力と熱風

98年式ZZR400から08年式Daytona 675に変わったんですが乗り換えて、初めて分かるZZRの素晴らしさとミドルSSの爽快感

映画、ハーモニーを見に行って

山の色づきが変化するに合わせ徐々に冷たい空気が勢力を増しているのは日本各地共通のことであろうとして、1年で最も人ごみが凄まじい季節にもなったというのが11月半ばから12月初めにかけての京都である。

そんな季節の中、「Project Itoh」第2弾である「ハーモニー」が11月13日から公開となりましたとさ。

もちろん見に出かけた。前回の「屍者の帝国」が期待していたものと違ったということもあって少し警戒感をにじませながら劇場へと向かったのである。

ただ、「屍者の帝国」は伊藤氏の手を構想段階で離れてしまったところを円城塔氏により完成となったのでこの時点で前2作とは趣きが異なっている。更にアニメーションにする段で再び改変を加えられているということで(オリジナルアニメとしてみればいいや)と考えられた。

しかし、今回の「ハーモニー」は違う!「虐殺器官」とともに伊藤氏の空想を目いっぱいに詰め込まれた作品であり、多分に「メタルギア」シリーズなどの影響を受けていることは間違いないのである。やっぱ、ナノマシンとか分子化学ってすげーわ。

で、鑑賞したんですけどお(以下ネタバレやね)

 今度は濃厚な百合でした。めっちゃエロかった。

ってそこじゃない。いや、実際終盤での二人が対峙するあたりまでいくと回想シーンもエロスに塗れ、原作読んだ時よりはるかにむずむずしてしまいます。本質はそこではないが。

ストーリー構成はほぼ変化なし、むしろ気になるところは世界観でしょうね。大体星雲賞日本SF大賞とってる作品のストーリーや構成や筆者の意図とやらの考察は刊行当時から色んな人がしてるし。映像となった時点で「思っていたのと違う…」と大なり小なり見た人すべてが感じるところであるのでやはりここが文学作品と映像作品の大きな違いだ。

序盤のニジェールでは特段の疑問を感じることはないのです。しかしながら、日本に帰るシーンから??????となる人はなるかもしれない(つまり私だ)

どうせ原作でどんな建物や乗り物がどう描かれていたかなんぞ忘れているので好き勝手に連ねていくとまず飛行機が既視感ある造形で、何で見たっけなあと考えると新劇のエヴァQで登場したあれか。特に後ろの螺旋状をしている存在意義不明のびらびら。

そして、日本は当然のこと、発展をしている場所全てに存在するビルディングが悉く昭和SFを再構築したような風合いで、人々の服装も画一的なものとなっていた。建物はともかく、衣服については”生府”などの設定に基づいているのかもしれないがそれでも「みんな同じ服やね」と思ってしまう。いやだがしかし、善を互いにつくし合う社会では皆が似たり寄ったりの格好でもええのかもしれん。ただそうはいっても、いくらなんでも無個性すぎるよなあ。けれども互いを認め合う社会であるならば…

まあまた原作読み直しましょう。

とにかくこう感じてしまった原因は時代設定にあり。

劇中の端々で年月日がちらりと見える。そこには「2075/mm/dd」とあるのだ。2075年といやあ本年より60年後である。丁度今年生まれた人が還暦を迎えるのですが、どうでしょう。

技術の進歩、服装の流行り、建造物の更新などが全て産業革命以降どんどんそのスピードを速めていると考えればいけるかもしれない。今から50年前のことを考えれば現代の最先端技術は夢のような話ばかりであることも考慮に入れなければならない。(スマートフォンや自動車の自動運転等々)むしろ、20年前ですらこの今を予想しきれないのである。ならば然りとすれば良いのだ。

しかし、建造物はそうもいくまい。50年前に建てられた東京タワーは未だ現役であり、現代アートの様な建造物がどんなに未来を思わせようともその足元に在る住宅街が全て同じ流儀にのっとって進化することはないのである。

一応、つじつまを考えれば劇中に時たま出てくる「大災厄」で全く新しい都市計画を進めることとなったと考えられるとは思う。けどやっぱり僕にそこまでの想像力と空想力はなかった。ひねくれたリアリストである因果で純粋に楽しめませんでした。

というわけでミァハとトァン(この映画でやっと発音方法がわかった)がお互いの青春で残してきたものを清算する物語でした。多分フィクションでよく目にする女の友情というかお互い抱く恋心の様なものにケリをつける話とみる分には悪くない話です。そういえばだれかもう一人いたような…

伊藤氏が言葉や感情を突き詰めた集大成の一方がこのハーモニーという作品でした。やっぱ映画一本見ただけでこんなに考えることができるのですから良い作品ですな。そして、最後に一言。

虐殺器官が楽しみだ」